月曜日, 2月 07, 2011

プチで楽しい茶会

TEDxRyukyuの時もそうだったが、自分がステージに立ったり、亭主をしたりする状況では、カメラを持ち込んでいても自分では全く撮影に気が回らない。なので自分が撮りたい説明的な写真がほとんど存在しない、ということになる。ここに載せてあるのも別人提供の写真である。


知人の新築祝いの小さな茶会を行った。客は知人の友人の書家の方と、その知人の一家。亭主は私、半東は連れ合い。場所はもちろんその知人宅。
いわゆる「習い事」としての茶の作法を知る方々ではないので、無用な堅苦しさを持ち込むことがないように、こまごまとした茶道の約束事はばっさり、大胆に外してポイントだけを押さえたつもりにして、後は楽しく遊ぶことにした。

懐石は準備する人的・物的リソースが足りないので、全部削る…つもりが、年末に自宅で永谷園のさけ茶漬けに、いくらとウニを大葉をトッピングすると、ものすごくおいしく、一膳のグレードが上がることを発見したので、それに煮物を添えて「一膳」を供することにした。(これは事前に陶芸の師匠のところで提供してみたら大好評であったので、自信満々。)

場所はフローリングのリビングからバリアフリーにつながった六畳の和室。炉はない。短辺でリビングとつながっているので、間に戸を立てて右側を貴人口というか客の入る戸、左側を茶道口にする。勝手付方面にさらに半畳程度の幅の板のスペースがあるので、そこに瓶掛、替茶碗、お湯の継足し用の電気ポットを置いて、鉄瓶で盆略手前をすることにした。茶道口方面の室内の雰囲気がうるさいので、二曲の屏風を置いた。全面に源氏物語の桐壷の文章が行書で書き散らしてある。本人の軸まで掛けてある書家の先生を相手にどうか、とも思うが、まあ面白がってくれるんじゃないのか?、という期待でそういうことにした。


12時に席入り。お客がいらっしゃるとすぐに縁側に設置した陶器のワインクーラーにお湯を張り、蹲に見立てて手を清めてもらって席に入ってもらう。5分前に炊き上げた飯に半東が茶漬けの準備をしつつ亭主あいさつし、すぐに茶漬けと暖めてある煮物を折敷で出す。亭主、半東もいっっしょに「いただきます」。歓談しつつ食し、終りに各々の飯茶碗に白湯を少しだけ注いで、禅寺の応量器の扱いのごとく、白湯で飯茶碗を濯いでそのまま飲んでもらう。その飯茶碗で、薄茶の頂き方を1分だけ実演講義。(正面を外して飲んで、戻して拝見して正面を亭主に向けて返す、ということだけ。)中立ち。

すぐに場を清め、書家の先生の軸はたたまずに、手前に小さなカラカラに、その家にあった桜の花を一輪だけ挿して、手向けの花としてかざった。(それまでは香合の代わりに、その家にあったホオズキの実を一つ、置いてあった。)鉄瓶、替え茶碗6つ、電気ポットを準備して席入り。
菓子は老松製の御所車を出す。お祝いらしい金暈蒔絵の棗を、これも華やかな螺鈿の盆(戦前のもの?)に仕組んで入り、盆略で、自服を含めて7碗点てた。

ちゃんと仕組んだ写真がありません。
仕舞つけで道具をご覧頂いている間に、リビングに毛筆で書いた会記を広げる。席を立って出てこられたお客に見てもらうのだが、最後に「以下ニ各々一筆ヲ賜ハル」と書いてある。この一家は、お客の書家の方のところに書道の稽古に行っているので、その家の子供の書道セットを広げて、書家の方を含めて全員に会記の終りに何か書いてもらった。用紙は二枚にわたったので、あとでつなげてその知人に差し上げるつもり。

終わってさらに軽く食べ、なぜかみんなでゲーム代わりにマシュマロチャレンジを行い、TEDのTom Wujecのマシュマロチャレンジのプレゼンを聞いて、終わってみれば二時(ふたとき)、4時間を過ごしておりましたとさ。あとで伝え聞くところによると、お客様の書家の方は「私もお茶習いたい」とのことで、楽しんでいただけたようで、うれしい。