日曜日, 3月 02, 2014

映画「RUSH」


http://rush.gaga.ne.jp/main.html

「すべての日本人の期待を背に、金メダルとれるか?」的なマスコミの浮かれ騒ぎは大嫌いで、その枠組みで騒ぎ立てられる勝ち負けのニュースに一喜一憂することは、ない。(そもそも見ていない。)
しかし、そういう浮かれ騒ぎの勝ち負けは抜きにして、コンペティション・スポーツで自らを鼓舞し、孤独に限界に挑戦している人たちのことは尊敬している。
中でも、我々の同時代の人で、最も敬愛しているのはニキ・ラウダだ。F1よりもラリーやル・マンが好きなわたしであるが、この人のことは本当に尊敬している。

Wikiなどに多くが書かれていることだが、75年のF1チャンピオンで、76年も好調であったが、ニュルブルクリンクの大事故で生死の境をさまよう。しかし顔面の半分をケロイドにしながら6週間後にはカムバック、その年はぎりぎりチャンピオンを逃すも、翌年再びチャンピオンに。いったんF1を引退したものの再びカムバックし、さらに3度目のチャンピオンになっている。

F1がまだ野蛮な構造のレースカーを使った肉体的なレースであった頃に、五感をフル動員して車の状態を感じ取り、問題点を修正しながら冷静なレース運びを行う姿に、ドライビングの理想を見た。
まじめで遊び付き合いが悪く、レーサー間で人気もないが、顔面のケロイドも気にせず、他人がどう思おうといいじゃないか、というスタンスでまじめに勝利を目指す。自分にはそのあり方がわかる、または自分に似ている感じがして、親近感がある。そういうのもありだよな、と自身が持てる。非常に今風ではないけれど。

実際に彼に聞いていたかどうかはわからないが、自動車雑誌のどれかに「ニキ・ラウダのドライビング・レッスン」のようなページがあり、わたしは少なくとも二つのことをそこで学び、実践し、今でも自然な動作になっている:
・正面の風景だけでなく、30秒間隔くらいで、計器類のどれかを、ちらっと順番に見ていくこと。それを注視するのは危険だが、ちらっと見たあとで頭の中で分析され、早期に異常に気づくきっかけになること。
・車線変更や右折左折の直前に必ずちらっとバックミラーを見ること。

自分がこれそのものに助けられた、という記憶はないが、ある種の用心深さと先読みが身に付いたせいか、免許取得以来40年以上事故とは無縁で来られた。(飛び込んできた猫に当たっちゃったことはあるけど)。
高速道路でのスピード違反以外は違反しないことも、その種の態度の一部かもしれない。

ということで、映画「RUSH」は好みである。イケメン・ヤリ放題の天才ドライバー、ジェームス・ハントと対照的かつ好意的に描かれているラウダが好きだから。