金曜日, 2月 12, 2016

スターウォーズ/フォースの覚醒

注意:盛大にネタバレしているので、見ていない人は読まない方がいいかも知れない。

スターウォーズ7を観た。
正直言って何かを期待していたわけではなかった。また始まったし、まあ見てみるか、という感じ。
最初のスターウォーズはエピソード4であった。「2001年宇宙の旅」のリバイバルと抱き合わせで上映されたと記憶している(どっちがどっちの抱き合わせかはわからないが)。2001年の緻密で哲学的な作風と比べれば、こちらは荒唐無稽、サイエンスなし。スペースオペラなのだからそれはそれでぜんぜんかまわない。2001に比べれば特撮の穴などはたくさんあるのだが、映画として充分に楽しめた。そしてそのまま4、5、6と続いた。
そしてエピソード1、2、3、アナキン期に移る。深みを増したストーリーと共にVFXが進化し、何でも描けるようになった(それがリアリティ増したかどうかはまた別だ。)。全体的にはダークなイメージの作品となり、もうジョージ・ルーカスはこれでスターウォーズを打ち止めにするのではないか、とも言われた。

そして今回のエピソード7だ。ストーリーはエピソード6に続く。ハン・ソロ、レイア姫などが活躍した時代から数十年が下った頃だ。
映画そのものは「時代を経た初代同窓会」そのものだ。スケールが巨大化してはいるが、ほぼ同じストーリー枠を精緻化したCGで描いている。あの頃と今を接続する思い出し映画であり、ディズニー的サービスなのかもしれない。一般の映画評では絶賛されているようだ。
きわめて残念な事は、この作品を「エピソード8」にできなかったことだ。本来のエピソード7でやるべきだったことはたくさんある。何せこの間にジェダイになることを目指したハン・ソロの息子が、メンターであるルークを裏切りダークサイドに堕ち、ルークが出奔しているからだ。これを描かないでストーリーを進めていいのだろうか。
タイミングが合わなかった、ということだろうか、制作が10年早ければ、その時代を描けたのだろうか。権利がディズニーに移ってから、ジョージ・ルーカスは必ずしもこの作品の行く末に満足してはいないようだが、何か関係があるのだろうか。
もうこれは絶対にスケリグ・マイケルだろうという場所でラストシーンが描かれ、ルーク・スカイウォーカーが現れる。彼のこれまでの経緯がエピソード8で描かれるだろうか。そういう興味はもつことが出来る。