日曜日, 8月 30, 2009
映画「サマーウォーズ」
鈴木敏夫氏のポッドキャスト「ジブリ汗まみれ」を聞いて、興味を惹かれたので観に行った。
パレットくもじで観た。映像は「時を駈ける少女」っぽく、今受けしそうな感じだ。
OZという世界を仮想し、そこで現実界とパラレルにストーリーが展開するのも面白い。グラフィックスOK、アクションOKである。
必ずしも悪いところがあるわけではない。
だが、何かうす味な感じがする。
集団的であって、個々に集中していない、個の描き方が足りない。また個同士の多重の組み合わさりがない。Emotionalな関係の深さが足りない。
たとえば個々にいる人たちの中で一番濃密な感情を抱えているはずの夏希と侘助の関係はそのままで何らかの発展や破局をもたないのか?、といったところだ。そこらへんでリアリティが薄められ、うす味を感じている。
登場人物の多重な関係の上手い組み合わさり方を絶妙に描いているのはたとえば「ロード・オブ・ザ・リング」であろうが、そういう複雑さがない。
「親戚」や「みんなの力」のようなものを視点に面白いストーリーにしているのだが、逆にその「親戚」に依存してしまった詰めの甘さがあると思う。
例えば今敏ならこの関係性を使ってどう表現したか?、などと考えるわけだ。
今時の「さらっと系」の人たちには大受けするのだろうと思う。