金曜日, 11月 02, 2007

「やかまし村の子どもたち」ラッセ・ハルストレム

やかまし村の子供たち
ラッセ・ハルストレム監督の映画である。私が彼の名前で思い浮かべるのは「ショコラ」だ。

ヒマナイヌの川井さんがmixiでレビューしているのを見て借りて観た。

北欧の、分厚い緑につつまれた村で、6人の子どもを中心に、「ただの生活」の風景が描かれる。
それだけの話だ。

しかし、「生きるとはこういうことなのだ」という、当たり前の、とても大切なものを突きつけられる気がする。

これは、日本がなるべきであった世界なのだ。普通の人々の日々の生活が安定していて、真っ当に暮し、次世代を育てる。生き続ける自然の美があり、人々がナチュラルな自然体で暮らしていくことが出来る。
バブル期からこちら、ITだ「勝ち組」だと浮かれ騒ぎ社会資本整備を忘れ、「中流」と言われた階層がいつの間にか貧困層になっていき、人々のありようが先鋭化し、他人を自分の利でしかみない社会とは対極のものだ。北欧の小国に対するあこがれを強く感じる。これが物語の中の世界であると知っていても、だ。

いつか、こういう世界にいたいという、理想が生まれる。忘れるべきでないもの、社会のありようも、海外派兵もなにもかも、そこから全てを見直すべき土台を感じる。