金曜日, 8月 01, 2008
「対決 巨匠たちの日本美術」展
東京国立博物館にて。タイトルどおり、日本美術の巨匠たちの作品を一堂に集め、対決させるという趣向である。
展示側の思惑はともかく、見る側の見方は人によっていろいろである。私自身にとっては「対決」という構図はどうでもよく、ただただそこにあるものたちのそれぞれの面白さが観たかっただけである。
実際、そのものたちをみれば、この展観は「圧巻」である。よくも集めたり、という感じだ。一時に様々なカテゴリーの秀作を、これだけのバリエーションで見られるチャンスはめったにないと言ってよいだろう。足を運ぶ価値が十二分にある。お薦めである。
6期に分けられた展示期間の最終タームである8/11から8/17には、宗達と光琳の風神雷神図が並ぶらしく、昨年?の出光美術館での出来事が思い出される。(プレゼンテーションの工夫でどちらの展観が美しく見えるかにも興味がある。)
茫渺としたイメージのある松林図屏風を描いた長谷川等伯の全く別の一面を知ったり、木喰と円空の明らかな違いがわかったりと、得るものの多かった展観だが、何より嬉しかったのは、これまでめぐりあう機会のなかった加賀光悦と、宗達の「蔦の細道図屏風」を見られたことである。いつかは観たいと思っていたものに偶然に出会うことができて、眼福・幸福であった。
図録はあえて買わなかった。最近は自分の中の発見が記録されているような図録でないと欲しくなくなっている。代わりに松林図屏風のミニチュアはがきを求めた。夏の間はこれを、若冲の鶴と入れ替えることにしよう。
この日は和装のチャーミングな女性が同行で、そのまま太田記念浮世絵美術館を回り、表参道の和装の店に立ち寄り、さらには夜は浴衣パーティであった。なんと和の一日であったことよ。