日曜日, 3月 23, 2008

「歌舞伎役者十三代目片岡仁左衛門」下北沢トリウッド




歌舞伎役者、十三代片岡仁左衛門の84歳から90歳の記録映画である。一言でいうとそういうことだ。ナレーションも音楽もいっさい、なし。彼の舞台や稽古・指導、日常が記録されている。

というわけだが、これはすごい映画だ。

私が見たのは「若鮎の章」で、全10時間からなる映画の最初の部分になる。ここで仁左衛門丈は、普段は小さな役しかすることのできない「大部屋俳優」だけで舞台を演じるのを指導している。台詞もつければ振りもつけるのだが、そうして出来上がった舞台の薄暗い観客席に、今度は手を引かれて入ってくる。なんとこの時、丈はすでにほとんど盲目であったそうだ。
そういうことなのだ。身体に染み付いた役者根性・役者そのもの・役者とはどういう人か、ということが映像でありありと描き出されている。

ただ、記録し、エッセンスを選んで見せる編集が、まるでジャズのライブを観ているような感じにさせる。

3/27には、当代仁左衛門がトークショーもするとのこと。(要予約)
映画館下北沢トリウッドで行われている面白いイベントである。

映画の要約がここにあるのを発見。