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坂東玉三郎監督、吉永小百合、加藤雅也、他。泉鏡花の原作を歌舞伎の坂東玉三郎が監督して映画化したもの。50分の短い作品である。
ひたすら映像の美しさにうたれていた。横たわる吉永小百合の美しい姿、植物園の森の中を歩く男たちにかかる木漏れ日の模様の美しさ、適材適所の脇役たちの端正さ、そのたもろもろ。小石川植物園で撮ったということで、行ってみたいと思ったが、そのあたりを知る知人が言うには「幻滅するかも」とのこと。まあそういうものかもしれない。イメージはイメージとして持っておくのが人間の幸せというものかも。
端役のフリをして中村勘三郎(当時は勘九郎)、片岡仁左衛門などが出演している。坂東玉三郎の名前もあったので、本人もどこかに出ていたようだが、わからなかった。
ひたすら、当代一の女形歌舞伎役者の美意識にうなづきながら眺めている50分であった。