これももう終わった展覧会なのだが、とても充実していた。
建築家として知られているコルビジェが、キュビズム周辺のスタイルを持つ画家でもあった、ということをメインにした展覧会と聞いていた。
がしかし、実際には嬉しい裏切りのある展示だった。
早い話が絵だけでなかった。椅子などの住居製品や、住宅スケールのものを作った建築家だと思っていたのだが、実は スモールデザインから都市スケールの計画までを行っていた人だということを知った。彼がインドに都市計画と、その一部としての建築までを行っていたとは全然知らなかった。
コルビジェの全体像が見えた、ということが収穫だった。
そのように、スモール〜ラージスケールを自在に行ったりきたりできる人であったようだが、都市サイズの巨大なものを扱いながらも、人間サイズのスモールな世界への配慮を忘れていない。基本的にヒューマニストなのかナチュラリストなのか、そのあたりが面白い人だった。
さらにミニマリズム、シンプルさを追求した人でもあり、終の住み処としたのは海辺の小さな小屋であった。そのような彼の思想の背景には何があるのか? 不思議で興味がつきない。彼の建築は堅くて柔らかい。
コルビジェが、人体の部分の長さを基本としたスケーリングをイメージして描いた絵の絵はがきを買った。また白いキャンバス地に白で展覧会の案内を印刷したバッグを買った。買い物袋にでもするつもりだったが、「もったいない」とまだ使われていない。。