火曜日, 2月 05, 2008

映画「パプリカ」




監督:今敏、原作:筒井康隆『パプリカ』、声の出演:林原めぐみ、古谷徹、江守徹他
筒井康隆の原作を基にしたアニメ映画。夢と現実の境界がない世界を、過剰で圧倒的な絵の力で表現している。自宅でDVDで観たのだが、映画館のフルスクリーンで観るとまたちがった迫力もあったかもしれないと思う。そちらにも興味がある。
原作を読んでいないが、原動力となる筒井康隆の、飛びまくったイメージが今敏を刺激したのだろう。さすがだ、という感じ。
監督は楽しんでいる。元のストーリーをなぞるのでなく原作を膨らませ、別の方向へも展開し、原作者の意を汲んでさらに驚かせたい、とのこと。クリエイターとしてはいいんじゃないかと思う。

この作品に限らないことだが、アニメの限界、人(実写)の限界ということを、この作品からも考える。アニメは動作がぎこちなく、感情表現の微妙さに欠ける。3Dでも同じ。人の実写だとアンリアルなシーンのの表現でのSFXのバレに限界を感じ、面白くない。どこにも答えがない。不思議と映画「アンドリュー」では、そこのところを感じなかった気がするが、あれはロビン・ウィリアムスという稀代の役者を得たことで成立しているのかもしれない。
アニメだとイメージだけを提供するこれがよいのか? それとも「AppleSeed」のあたりまでリアリティに寄り添うのがいいのか? 答えの見つからない疑問だ。
平沢進という人の、バックグラウンドミュージックはよいのだが、テーマソングのチープ感は勘弁してほしい、という感じだった。わざとチープな打ち込みを演出しているのだろうか。チープなカルチャーの浸透を感じさせ、薄ら寒い。(演出なんでしょう、きっと。)

夢や他人の記憶の記録に関わった映画としてダグラス・トランブルの「ブレインストーム」と、もう一つミレニアムの頃の犯罪サスペンス映画を思い出したが、後者はどうしてもタイトルが思い出せない。。→「ストレンジ・デイズ」でした。ありがとう>マイミクさん。

一見の価値がある作品です。この「パプリカ」は。