月曜日, 12月 31, 2007

月曜日, 12月 24, 2007

ワタリウム美術館「クマグスの森」展



博覧強記の奇才にして植物学者(主に粘菌)であった南方熊楠の人となりを紹介した展覧会。どれくらいの奇才だったのかをごくごく簡単に、イメージとして知るには、水木しげる作の「猫楠」を読まれるとよい。

御前講義をした昭和天皇に対して標本を献上するのに使ったというキャラメルの箱など、面白いものがいろいろと展示されている。

特に興味深かったのは、彼が学問の展開を一枚の紙にどんどん書き連ねて行ったもので、それはまさしく今流行のマインドマップそのものであった。

武相荘(白洲正子旧邸)の、女史の書斎にも熊楠の全集があったのを思い出した。
エキセントリックな異能者。熊楠。

サントリー美術館「鳥獣戯画がやってきた!」



サントリー美術館で開催されていた。鳥獣戯画のオリジナルおよびそのデジタルプリントと、さまざまな絵師によるその模写や、関連する絵画作品などが展示されていた。

やはり甲巻がいちばん格が高い気がした。観ていて楽しい。真ん中の部分にちょっと変わった描き方の草花があって、それだけ前にどこかで見たような感じがして、光琳?、などといろいろと考えていたのだが、どうも近代美術館工芸館で見た松田権六の漆の、金彩のことだったように思う。

すぐ後ろに、学生さんをつれた美術学校の先生らしき人がいて、いろいろと解説をしておられた。耳学問をさせていただきました。

オリジナルを何度も繰り返し観て、それ以外はあまり目を留めることもなく美術館を後にした。

大倉集古館「富岡鉄斎展」



神谷町の駅を出てホテルオークラ方面へ上って行くと大倉集古館に出る。大和文華館所蔵作品を中心とした富岡鉄斎の展覧会が行われていた。

最後の文人画家と言われた鉄斎について、私はあまりよく知らない。はっきり記憶しているのは先日訪れた富山の水墨美術館で観たものくらいだ。
飄々とした筆致だが、「間」を重要な要素とする日本画の中でも、執念深く描き込まれている。そのバランスが他の画家とは異なる感じがする。今回特に好みだったのは、画面の全面を墨で蔽って、月の部分だけを丸く抜いた「寒月照梅華図」であった。古典性と現代性が両方とも充ち満ちている感じがした。

東松照明「Tokyo曼荼羅」:東京都写真美術館




東京都写真美術館の東松照明「Tokyo曼荼羅」を観に行った。知人が森山大道とつながりがあり、その流れで名前が出てきたので、見に行ったのだ。

写真は1950年から後のものであった。それは私の子ども時代から同時代に当たり、しかしその頃見たことのない東京を中心とした場所の景色であった。それが同時代であるにもかかわらず「あの頃ってこうだったのか」という驚きを私にもたらした。

人や社会を見る目が、形を見る目に変わって行くのも面白かった。中にいくつかの桜の風景があったが、前回ここで観た鈴木理策の桜と、こうもちがうものかと感心した。

同時代の見知らぬ風景の意外さに驚き、図録を買った。

「世界を魅了したティファニー 1837 - 2007」東京都庭園美術館

畠山記念館から東京都庭園美術館へ行く、となると、土地者でないので交通機関の利用を考える。高輪台から五反田に出て目黒から?、などと。
ところが地図で見ると、この二つは直線距離で800m程度、経路をたどっても1.2km位しか離れていない。さてどうしたものか…
それで歩いてみることにする。



畠山記念館で「ここから庭園美術館ですと、タクシー頼むと怒られますかね…」などと聞くと「歩いて行けますよ」となる。ちゃんと手製の経路地図まで準備されていてそこにボールペンで「ああいって、こういって」と教えていただいた。どうもありがとうございました。




それで庭園美術館である。開催されているのはティファニーの宝石展。どこでもそうかもしれないが、ここは催し物によって客層がだいぶ変わるように思う。前回、バレエ・リュスで来た時は、いかにもクリエイター的な人々が多かったのだが、今回は「セレブ風」がずいぶんと多い。

しかも、女性の好みというのがこれくらい明確に現れているのをこれまで見たことがなかった。展示品は全て宝飾品だが、誰が見ても明らかに、石のついている展示品と、そうでない展示品では集まっている女性の数が違うのであった。女性の鉱物に対する嗜好をあらためて実感したのであった。
私は何を感じたのか? 最後の部屋にあった、ダイヤを指輪に新しい手法の「ツメ」を使ってマウントし、それによってダイヤの下側から通ってきた光がさらにそれを輝かせる手法に感心したのだった。

Googleに経路探索をさせると、ここから東京都写真美術館までも歩け、という。そうなのだが、さすがにくたびれたので、目黒>恵比寿>動く歩道で移動することにした…

畠山記念館秋季展「茶の湯の美 -利休から宗旦へ-」



畠山記念館では以前に本阿弥光悦の「雪峯」と、紀貫之の高野切を見たことがあり、好きな場所の一つである。

先日まで開催されていたタイトルの展覧会では、初代長次郎の赤楽「早船」と、利休所持の熊川茶碗、信楽の水指が特に興味深かった。

早船はその継がれた姿も含めて、あの自由なアーティスト光悦の雪峯を連想してしまうが、他方では非常にプリミティブな形でもある。一つのものの中にあるそれらの隔たりに、長次郎その人の中の不思議を見た気がした。

熊川茶碗は、なんの飾り気もないありきたりの形ともいえるが、使い込まれた侘びた姿が、ありきたりの形ゆえによりいっそう強調されているようで、そういうところに美を見る利休の美意識をあらためて思い知らされるようだった。

信楽の水指も、土そのものを焼いただけ、という姿がシンプルなのか、ぶっきらぼうなのか、深い考えのあってのことなのか、そんなことをいろいろと考えさせられるが、実は考えているのは単にこちら側だけであって、モノは単にモノなのだ、それを見つけ、見立てて使う側の意識が反映するのだ、とそれをまたモノに教えられている気がした。

御薄を一服所望。これも、そこそこ見どころのある茶碗で出てくるところが嬉しい。

次は4月頃から琳派だそうである。これも見られると嬉しいのだが、それはまだわからない。

i-morley「週刊現代を読みながら」

http://morley.air-nifty.com/movie/2007/12/post_0586.html

ウイグルの話題から離れて少したるみ?気味だったモーリー君のトークがまた明晰になっています。

水曜日, 12月 12, 2007

火曜日, 12月 11, 2007

「空軍大戦略」



映画が戦争の何を語るのか、ということについてはさまざまな意見があるだろう。これはその中の、どんな部類に入るのか。それも見る人によって違うのだろう。

本作は「バトル・オブ・ブリテン」と呼ばれた、第二次大戦でのドイツ軍によるイギリス上陸作戦の前哨戦となった、ドーバー海峡とイギリス上空の制空権をめぐる空戦を描いている。結果的にこの戦いはイギリスの勝利となり、ドイツ軍はイギリスを占領することがなかった。

これを、ジェームス・ボンドシリーズの英国チームが映画化した。その際に、世界各国に離散していたスピットファイア、ハリケーン、メッサーシュミット、ハインケルなどの実機を集め、特殊効果のための特撮はあるものの、基本的にそれらの実機により大規模な空中戦を空撮で再現するという大胆な手法で、ものすごくリアルなイメージを持つ作品となっている。公開は1969年。あの「2001年宇宙の旅」が1968年公開であるから、この映画の空撮の努力がどれだけのものであったかは推測できるだろう。「CG」は存在しないのだ。

以前に「宮崎さんのお薦め」として「ダーク・ブルー」という映画(スタジオジブリ「提供」である)を紹介した。その時は「空撮は『空軍大戦略』より上を行っている」と書いたのだが、あらためて見直してみると、こちらもまったく侮れないのであった。

歴史の一断面を描いている、ということと、そのリアリティがもたらすイメージという点で、まれにも薦めたい戦争映画の一つである。
この作品にしろ「チキ・チキ・バン・バン」にしろ、イギリスはやる時はやるぜ、という感じがうれしい。

水曜日, 12月 05, 2007

島倉千代子

Podcastのmp3ファイル二つ:

http://www.joqr.co.jp/bbqr/podcast/kuniryu071130.mp3


のはずが一つ。もう一つはURI喪失。ほぼ同時期に二つの番組でインタビューを
受けていた。

この方は、ほんとうに天然なのかも。

九美のお座敷通信:第75回:冬の花火リポート (後)

mp3へのリンク:

http://db1.voiceblog.jp/data/kumisuke/1195448830.mp3

なんにも工夫していない録音なんですが、臨場感がとてもいい感じ。

火曜日, 12月 04, 2007

Merlin Mann's Inbox Zero @ Google Tech Talks

http://video.google.com/videoplay?docid=973149761529535925&hl=en

質疑でGoogleのメンバーがメール500通、うちActionableが1-5%とのこと。なるほど。