金曜日, 6月 27, 2008

「蟹工船ブーム」への驚き

参照できるリソースはこちら。また「NHKニュース 蟹工船」でぐぐるとネットの話題になっているらしいこともわかる。

率直に、驚いた。「あれが再び読まれる時代になったとは」という驚きだ。

労働者が連帯する、団結する。社会にモノをいう。そういうことが、当事者、しかも若い世代に、まじめに再発見されている。
長野のオリンピック聖火騒動のときのデモと同じように驚いた。

こちらには、このブームに関する、ややペシミスティックな見方もある。もとの小説のプロレタリア運動との関係と、その核になった共産主義・社会主義の崩壊、管理社会における声をあげることの難しさなどを元に、革命ファンタジーへの現実逃避ではないか、としているわけだが、そう複雑なことでもないのではないか?、と思う。

そこまで行かずとも(というよりも、そこまでは行かずに)、社会にモノをいうこと、「自分だけじゃないんだ」と思うことや、人によっては連帯をすることを通じて他人を思いやることに気づいて、行動しているように見受けられる。

「連帯」や「団結」という言葉には「古くさい」イメージがある。それが今の社会だ。そこにあって、「『蟹工船』を越えて貧困を語るリアリティのある言葉を生み出せなかった」ことには、私も同意できそうな気はする。(もっとも大して本を読んでいないので、私にはそれを断言する自信がないが。)
「蟹工船」など読まれない社会の方がよほど幸福だろうことも、そう思う。

が、まあ、今の人たちはここからも何かをみつけて行くのではないだろうか。そのことには希望を感じている。

他方では、国営放送NHKがなぜこれを話題に?、とは思う。それほどブームになっている?

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