火曜日, 12月 22, 2009

「アイヌの美」展:京都府文化博物館



京都府文化博物館で2010年1月11日まで開催中。
一見して感じるのは「神的」だ、ということだ。あるもの全てが神々しい。人でなく神へ向いた図像という感じがする。過酷な極寒の地で相対する人以外のものは全て神の贈り物に見えるのかもしれない。人が自然と、その先の神とこんなに近づいている生活があったと言うのが、不思議な実感として迫ってくる。極限的な環境で自らと相対する唯一のものとしての一神教が生まれるケースはキリスト教やイスラム教の例があるわけだが、北のこの地では、極限性は多くのものとつながったようだ。アニミスティックな感じがする。
イクパスイ(捧酒箸)削りの形が、たつみや章のストーリーを思い出させる。
工芸品のディテールの細かい細工が、彼らの文化の高さ、深さを感じる。
とてもいい展覧会です。お薦め。