土曜日, 12月 26, 2009

桂離宮

kyoto:桂離宮
縁あって桂離宮を見学させていただくことになった。



待ち合わせの時間調整に、桂川の川縁にある中村屋に寄った。ここは古くからあるお店だそうである。みたらし団子を食べながら、もってきた本「桂離宮」を読んだ。斎藤英俊著、穂積和夫絵によるこの本は、対象年齢小学6年以上と書いてあり、全編にルビが振ってある、一見子供向けのように見えるのだが、どっこいそんなものでは全然なくて、離宮の土地の由来、創建した智仁(としひと)親王以来の歴史、建設の順に従った具体的な建築プロセスとその細部などが、わかりやすい解説とイラストで書き連ねられている素晴らしい本である。
しばらく読んでから笹垣の前を通って離宮入口に行き、待ち合わせて入園した。



人数制限があり、まずは全員でビデオを見てから案内役の随行で園内を周遊する。庭園内に散在する建物は殆どが開放されており、見ることも縁に座ることも可能だが、本館は外側から見るだけである。昭和47年頃までは内部も展観されていたそうだが、傷みの問題があり、その後は開放していないとのこと。残念ではある。



一時間程のガイドツアーは、まあこんなもんかな、という感じ。3畳の茶室をにじり口から覗き、月見台で酒宴したいなどと不埒なことを言い合いながら一時を過ごした。



建築家ブルーノ・タウトが「涙が出るほど美しい」と言った建物はたしかに美しかったが、その美しさを真に知るには、やはり中から見てみたい、住んだ人の目線から見て楽しみたいと思った。可能ならば月夜の晩に、一献傾けながら。



それにしても先に触れたあの本はいい本で、最初は簡素ながら隠れた贅を尽くした建物が、次世代に増築され、さらに上皇の御幸のための新御殿の増改築に至り、どんどん華美化して行く過程が興味深かった。それも中を見られれば実感できたのだろうが。。

手配の労をとってくださいました方に感謝申し上げます。ありがとうございました。