金曜日, 11月 04, 2016

Salyu


ミュージシャン・Salyuの声が好きだ。この人は岩井俊二監督の映画「リリィ・シュシュのすべて」(伊藤歩が強烈な印象を残す)にでてくるミュージシャン、リリィ・シュシュで、映画では音楽でしか出てこない。
この映画のサウンドトラックがリリィ・シュシュ名義のアルバム「呼吸」として発表されている。Salyuはこれ以降オリジナルアルバム5枚を制作し、音楽活動を続けている。

このSalyuの不思議な声にハマってしまった。
作っているのか、それとも音域に応じて自然に変わっていくのかしらないが、とてもバリエーションの広い、魅力的な声をしている。だれかが「例えていえば日本のビョーク」と言ったそうだが、まあそういう感じの声だ。
その声が好きでここしばらくは「landmark(2005)」「TERMINAL(2007)」と「MAIDEN VOYAGE(2010)」をずっとヘビーローテーションで聞いている。どれもJ-POPと括ってしまうには惜しいくらい突き抜けた完成度の曲の構成で、その中を飛び回る彼女の声に聴き惚れている。J-POPというよりはロックとカテゴライズした方がいい感じがする。

声がすごく魅力的なのだが、逆にちょっと残念なのは、多くは小林武史の手になる歌詞の言葉の選び方か、または音節の区切り方が洗練されていないのか、歌詞の意味がすっ、と頭にはいってこないことだ。ちょうどよく知らない言語の洋楽を流していて、曲は好きだが歌詞の全てを理解していないような感じがしている。

だがそれでも、彼女の声のよさに惚れてただ聴き続けていられる。制作年代が前のアルバムの方が、リリィ・シュシュ的なさまざまな声のバリエーションが曲に現れていて、私は好みだ。

この人の音楽活動にはお金を払う価値があると思う。