木曜日, 1月 24, 2008

「ザ・コンテンダー」


監督:ロッド・ルーリー、キャスト:ジョーン・アレン、ゲイリー・オールドマン、ジェフ・ブリッジス、クリスチャン・スレイター、サム・エリオット他

たまたまテレビでやっているのを見た。現職の副大統領急死に伴う再指名に女性候補が浮上したが、女性であることをよしとしない勢力から、過去のスキャンダル疑惑をねたに攻撃される。

以下ネタバレあり

ジョーン・アレンという俳優は、他で全く記憶がない。実を言うと「キンダーガートン・コップ」のシュワルツェネガーの相方、パメラ・リードと勘違いしていた。変わったなあ、と。。

自分への不利な疑惑を絶対的に否定できるにもかかわらず、「それはプライバシーなのだから俎上に載せるべきことではない。答えることは相手と同じレベルに自らを貶めることだ」と、否定も肯定もせずにノーコメントのままにする。そこのところがすごいのだ。

「誠実」というのとは違う、断固として、しかも葛藤の中でも静かなまま、自分の原理原則を曲げずに貫き通すという、人間の希有な姿を、アップの顔の表情で印象的に描き出していた。この映画の一番の見どころと思う。これだけのために見る価値はある。

ゲイリー・オールドマンの、相変わらずの嫌悪の極みのような演技もすばらしい。ああいういやらしさを演らせたら彼の右に出るものはいない。


これもたまたま、ポッドキャスト「コラムの花道」で、町山智博氏が女性大統領候補クリントンとの絡みで、この映画をタイムリーに紹介していた。もう一つはラッパーの黒人が大統領候補になる話。
彼によれば、今回大統領選挙では黒人、あるいは女性の候補が誕生する可能性がアルが、実はこれはオバマ、クリントンという特別な個人のケースであって、アメリカ議会・政界には、女性や黒人は非常に少ないのだ、という話をしていた。