水曜日, 3月 05, 2008

mixi規約変更問題(特に第18条について)

ここ数日、この件はmixi内部も、ネット全体でも話題になっている。詳細は大手ネットメディアを含めてあちこちに書いてあるので省く。かんたんにいうと;
・mixiが、ユーザーの事実上全てのコンテンツに関して自由に改変・使用できると規約に定めることにした
・ユーザーの一部(?か多くかはわからない)がそれに大反対している
・mixiはこれに対し「サーバ負荷軽減など、コンテンツのデータ処理に関することを意図していて、ユーザーのコンテンツを無断で出版することはない」と「追加説明」をした(が、それを規約に盛り込むとは述べていない)
といったことだ。

私の感触は;
・規約の文言は、法務的だが、見る印象はユーザーが疑念を抱くに十分である。また字面上の運用がそのままなされれば、ユーザーの懸念はそのまま現実のものとなる
・「追加説明」を含めて、規約に書けば話もまた違うだろう
・「追加説明」を信頼するか、しないかでユーザーの対応は変わるだろう

といったところだ。

そして、もう一つ思い浮かぶことがある。AppleのCEO、Steve Jobs氏のことだ。

Keynote speechにおける彼のプレゼンテーションが非常に優れていることは、世間に知られている。彼は観客を熱狂させ、Apple信者にする。彼に全面の信頼をおく人もいるのかもしれない。

彼のプレゼンは、綿密なリハーサルの上に成り立っていると聞いているが、プレゼンの会場での彼の姿から受ける印象は、それとは関係ない。彼は自分の言葉で聴衆に語りかける。彼の姿は誠実である。この男は少なくとも自分に嘘はついていない。そう思わせる。

今なぜこれを思い浮かべるのか。笠原氏も今、それをすべきなのだと思う。自分の言葉で、ユーザーに何をしたいのか、何をするつもりがないのかを語るのだ。
法務条項が語らないものがあるとすれば、それは「あうん」の信頼だ。彼がそのことを自分で明らかにするならば、少なくともmixiのコアユーザーは、法務文言の不安より、彼の言葉を信用するだろう。mixiはそれくらいintimateな世界であったし、コアな人にはいまもそうだろう。
「お前が自分でそういうなら信じてやるぜ」というわけだ。

彼がそうしておいてそれを裏切れば? そりゃIT系カフェで誰かに会えばぶん殴られるし、もう人として信頼されなくなるだろうが…